悪魔は夜に笑う
「なんでそんな顔すんの。ねえどうしたら俺のこと信用できる?スマホ見せたらいい?」


信用して欲しくてむくれたままスマホを操作するのもかわいい。
まずい、だいぶ絆されてきた。
だって私の周りにはまっすぐ想いの丈を打ち明ける男なんていなかった。


「はい、いろいろ見ていいよ」


蒼士郎くんはロックを解除したスマホを渡してきた。
見ていいと言うなら見てやろうではないか。
私はSNSを開いてメッセージ欄を確認した。


「えーっと、最近のメッセージのやり取りは……」


ここ1か月女子とDMでやり取りしてる様子はない。まあこれは消したりすればどうにでもなるけど。
ホーム画面に戻って怪しい出会い系アプリとか捜したけど、目ぼしいものは見つけられなかった。

写真アプリも見てみたら、私の変顔や人間辞めてるレベルの怪獣みたいな寝顔が残されていた。
消そうと操作したら後ろから腕を掴まれた。
あとちょっとで削除できそうだったのに。


「なんで止めるの?肖像権の侵害でしょうが」

「その写真見てあゆなさんだって誰が分かんの」

「趣味悪すぎやろ。残してどうするん」


写真の消去だけは徹底的に阻止された。
そこまで意地になる理由が分からないけど私への興味がなくなれば消すだろう。私は諦めた。

そもそも蒼士郎くんはめんどくさがりだから、多数の女を管理するなんて器用なことはできなさそう。
やろうと思えばできるだろうけどそこに当てる時間をもったいないと考えそう。
私は蒼士郎くんにスマホをお返しした。


「満足した?」

「盗撮以外は白ということが証明されました」


にわかには信じ難いが、ここまで信用してほしいなら頑固にならず流されてみよう。
私は立ち上がり、出かける準備を進めることにした。
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