悪魔は夜に笑う
「ピラティス通おうかな。デスクワークで姿勢もよくないし」

「いいんじゃない」

「食事制限も大事だから次回からおつまみ控える。カクテルも低カロリーなもので願いします」

「お店来るの控えますじゃないんだ」


ダイエット宣言をしたら蒼士郎くんの口元が大きく弧を描く。
めっちゃ笑うやん。でもお店に行けないのは寂しいから意地でも行きたいんだ私は。

蒼士郎くんの笑い声に周りの女性客がこちらを見て頬を染める。
やめろ蒼士郎、君は大衆が集まる場所で笑うな。
私の心臓にも悪いが周囲の人にも影響が及んでしまう。

自身の頬の紅潮とともに、同時に逆ナンする女性の心理が分かった。
自然体の蒼士郎くんはかなり魅惑的だ。仕事中はもちろんかっこいいけど、目の前にいる彼はさらに誘引力がある。
思わず目を奪われてしまうようなそんな笑顔。


「私が行かなくなったら蒼士郎くん寂しいくせに」

「もうお店じゃなくても会えるようになったから大丈夫」


ふざけてクールダウンを誘うつもりが逆効果。今度は後光が差し込む柔らかな微笑みを引き出してしまった。

悪魔じゃなくて天使かな?錯覚を引き起こし脳は軽くパニック状態。


「体型管理するって言ったからには甘いものも今日から禁止ね」


しかしそう言って私のケーキの最後の一口を掻っ攫われ、やっぱり悪魔だと再確認できた。
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