学校の人気者は私だけを離してくれない【大学生編】
###No.4 誤解


「全部私が悪いの!」
彩乃の声が響いた。
冬人も紗羅も蓮も、その場で動きを止める。
「彩乃……?」
冬人が振り返る。
彩乃は息を切らしながら紗羅の前に立った。
「神宮寺さん、ごめんなさい。」
「え……?」
「冬人は何も悪くない。」
紗羅は言葉を失う。
彩乃はゆっくり話し始めた。
「あの日、私が冬人を呼び出したの。」
「……。」
「最後に好きって伝えて、ちゃんと諦めたかった。」
紗羅の目から涙がこぼれる。
「でも冬人はね。」
彩乃は少し笑った。
「"俺が好きなのは紗羅だけ"って言ったの。」
冬人は少し照れたように目を逸らした。
「だからもう誤解しないで。」
紗羅は冬人を見る。
「……本当?」
冬人は真っ直ぐ紗羅を見つめた。
「俺、お前に嘘ついたことある?」
その一言で紗羅は泣き崩れた。
「ごめん……。」
冬人は何も言わずに紗羅を抱きしめる。
「もう一人で泣くな。」
「うん……。」
「ちゃんと聞け。」
「うん。」
「勝手に逃げるな。」
「ごめんなさい……。」
その様子を見た彩乃は安心したように笑った。
「よかった。」
そして二人に背を向ける。
「私も前に進むね。」
春風が吹き、桜の花びらが舞う。
彩乃はもう振り返らなかった。
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