サヨナラを言う準備は出来ていた。
学校ではそれぞれ男女に分かれて友だちがいて、部活も別で。小学生まではあれだけ一緒にいたのに。俺は急激な変化に、最初心が追い付けなかった。


「何だかなって思ってたけど、でもそこまで不満とかはなかったでしょ。まあもう小学生じゃないしって。それって多分、同じ中学で、クラスも一緒だったからだよね。見える所に結星がいたから、安心してたのかも」


ひと際大きな、それは大輪のような鮮やかな花が夜空に咲く。赤、緑、黄色、青と、星を霞ませるほど明るく。

那月は平気だったのかもしれないけど、俺は正直動揺してたよ。
お前との間にできた距離に、焦ったりもした。ずっと平気なふりをしてたけどさ。


「だから……いま、結星がいないのは結構……」


花火の音の合間に微かに聴こえた那月の本音。
俺はそれが痛いほどわかって、でもどうにもできなくて、笑うしかなかった。大丈夫、わかってる、と。

パラパラと花火が散っていく。
夜景を覆い隠すような煙が、ゆっくりと風に流れていく。


「そろそろ、花火終わっちゃう」
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