サヨナラを言う準備は出来ていた。
しだれ柳が夜空に輝く。流れ星のように火花が落ちていく。
俺に気を遣ってそう言ったのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
南高の制服姿の涼平を思い浮かべながら、俺は黙って頷いた。
「笹森くんだけじゃなくて、私も……思ってた以上にさ、つまんないよ」
ため息をたっぷり混ぜながら、那月が呟く。
部屋着の胸元をきゅっと握り締めながら、本当につまんないんだと。
「結星のいない高校生活って、つまんない。ゴールのないレースみたいに」
白く小さな花火が連続した破裂音と共に次々に上がる。
夜とは思えないほどの明るさに、那月が大きな猫目を細めた。白く照らされた横顔から、俺は目が離せない。あまりにも、切なそうで。
「変だよね。中学入ってさ、私たちちょっと距離できたじゃん。制服を着るようになって、男子と女子の違いが明確になるとさ、何となく男女であんまり一緒にいちゃいけないような空気があって。自然とこう、それぞれ別の時間を過ごすことが増えたよね」
確かにそうだ。お互い朝練が入ったりして一緒に登校することはなくなって、帰りも部活の仲間同士で帰るようになって、通学路を並んで歩くこともなくなった。
俺に気を遣ってそう言ったのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
南高の制服姿の涼平を思い浮かべながら、俺は黙って頷いた。
「笹森くんだけじゃなくて、私も……思ってた以上にさ、つまんないよ」
ため息をたっぷり混ぜながら、那月が呟く。
部屋着の胸元をきゅっと握り締めながら、本当につまんないんだと。
「結星のいない高校生活って、つまんない。ゴールのないレースみたいに」
白く小さな花火が連続した破裂音と共に次々に上がる。
夜とは思えないほどの明るさに、那月が大きな猫目を細めた。白く照らされた横顔から、俺は目が離せない。あまりにも、切なそうで。
「変だよね。中学入ってさ、私たちちょっと距離できたじゃん。制服を着るようになって、男子と女子の違いが明確になるとさ、何となく男女であんまり一緒にいちゃいけないような空気があって。自然とこう、それぞれ別の時間を過ごすことが増えたよね」
確かにそうだ。お互い朝練が入ったりして一緒に登校することはなくなって、帰りも部活の仲間同士で帰るようになって、通学路を並んで歩くこともなくなった。