サヨナラを言う準備は出来ていた。

「結星がいないと、寂しいんだよ」


那月の涙と一緒に、パラパラとたくさんの火花が街に落ちていく。


「結星に話したいこと、いっぱいあるの。花火が上がってる間だけなんて、足りないよ。いつも本当に話したいこと、何も話せてないんだよ」


そうか。そうだよな。
短いよな、十分は。本当だ。
俺もそう思ってたのに、気付いてやれなくてごめんな。


「私ね、本当は毎日つらいよ。もう二年生になったのに、全然高校に馴染めない。友だちもできないし、浮いてるし、ちょっといじめみたいなこともある。移動教室のこと、私だけ知らされてなかったり、課題のプリント捨てられたり、体育とか美術とか、ペアを作らなきゃいけないときいつも私だけ残っちゃって、声かけようとしても避けられるし。この前なんて隠し撮りされて、変な加工されてネットに流されてた。他にもたくさんあるんだよ」

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