サヨナラを言う準備は出来ていた。
これでいいのかと、私の中の誰かが問いかけてくる。


「明後日だよな、夏祭り。来てくれんなら……結星に花を手向けよう」

「……でも、そこは」

「それで、三人で花火を観ようぜ」


な? と白い歯を見せ笑うと、笹森くんが私に背を向け歩き出す。

本当に広く、大きくなった背中。
私も少しだけ身長が伸びて、髪も伸びた。

結星は何年経っても何ひとつ変わらないのに、私たちだけが変わっていく。
結星を置き去りにして大人になっていく。

胸元を握りしめ、私はしばらくその場から動くことができなかった。


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