強く願えば叶う世界に転生したことに気づいた時……
 あああああああああああああ


 私は今思い出した!

 この世界前世の小説で読んだ、強く願えばそれが叶うという魔術が通じる世界だ!


 そして私はそこで主人公に倒される悪役令嬢じゃないか!



 冗談じゃない、倒されてたまるかいな!



 こうして私ベアトリクスは生き残るために、自分も魔術を使うように強く願うことにした!




 確か話を思い出すと、このベアトリクスは、主人公をいびりまくるから、主人公が、「私は王子様に助けてもらいたいわ!」と強く願った結果、主人公に惚れた王子様が現れて、このベアトリクスを断罪して国外追放にするのよ……



 読んでいる時は、主人公側で書かれていたからスカッとしたけど、よく考えれば無茶苦茶な話よね……


 まぁ王家に権力があるのは分かるけど、ベアトリクスの罪はみみっちいのに、国外追放なんて、主人公に惚れたからという私的理由で……


 現世ならばこんなの王家の信頼失墜につながるわよね。



 さらに物語的にも、愛する主人公をいじめたお前は許さない!みたいな展開だったはず。



 いやいやもう少しまともな大義名分用意しろよ、それが怪しくても無理やり形を作ってゴリ押すのが政治やろがい!って改めてツッコミどころ満載だな……


 読んでる最中には気づかなかったが、ベアトリクスの立場になってよく分かったよ……



 あとそもそもベアトリクスが主人公をいじめる動機も分からないのよ。


 まぁ悪役令嬢ってそんなものかもしれないが、典型的なやられ役ってことなんだよね……



 じゃあいびらなきゃいいんじゃない?と思ったら甘かった。




 このクソ物語の陰謀を感じるね!



 なんと私と主人公がすれ違っただけで、急に「イタイイタイイタイイタイイタイイタイ」

 などと主人公が叫び出した。



 当然何事って注目されるけど、私もあっけに取られていると、




 何か私が蹴り飛ばしたからイタイとか言い出した。



 ざけんなボケが!



 さらにそれを誰も見ていないのに、何て酷いみたいな空気になっている……



 やばいこれが物語の強制力とか言う陰謀って奴?






 こうして私が怪しいと王子様まで現れて糾弾する勢いだ。



 舐めるなよ!



 私は激怒して祈った。



 みんな私を信じて!強く願った結果……



 魔術が発動したのだろう!



「よく考えたら誰も見てないのなら証拠が無いよな」




「イタイって言ってるけど、どこを蹴られたのかいまいち曖昧だし、あそこまで痛がるにしては傷あとも無いし……」



 なんだなんだ?急に正気に戻ったかのような言動をしだしたぞ。


 これが魔術の力か……



 冷たい現世、いや前世と違って凄いものだな……



 正直感心した……




 しかし主人公は「私はいじめられたの信じて!」



 などと宣言をするので、またしても「やはりかわいそうじゃないか!」



「嘘をつくとは思えない!」



 などと周りが戯言を言い出した。



 しまった、あいつの強い気持ちの前に魔術が発動したのか!?




 私も負けていられるかと思って「私は嘘をついてないわ!信じて!」



 これを強く願うと、主人公も多分負けずに願っているのだろう、


 周りの奴らは右往左往しだした。


 どうしたらいいのか、魔術に引っ張られて困惑してるのだろう!




 ならば!私は考えた。



 ルールを変えてしまえばいい!



 私の魔術は最強で誰も勝てないのよ!



 こう言う願いを言った瞬間、私の体は黒く輝き、主人公のチンケな魔術を飲み込んだ!



 こうして主人公は私を陥れ王子様を騙そうとした罪で処刑された。


 ざまぁみろ。


 私が何もしていないのに貶めようとした奴を助けてやりたいなんて思わないね!




 こうして私は王子様と結婚することになったのだが、今気づいた。



 よく考えれば最強の黒魔術師となった私に王子いらなくね?



 だって私のほうが最強だし!?


 国の力よりも私の願いの魔術のほうが上なのだ!



 試しに、食べきれないほどの食べ物を願ったらでてきた。


 こうして国は豊かとなって、貴族は当然として、王家の必要性など消え去った。



 外国にだって配ってやれるレベルを私は出せるのだ!



 さらにもっと考えると、もっと贅沢させろなどと私に文句を言うボケがいた!



 あのさぁ!贅沢させて欲しいと思うのは分かるけど、何で私に命令するの?


 お前私が願ったら秒で死ぬんだぞ!

 私の気分を損ねたカスのために、どうしてそれをしてやりたいと思うのか!



 そしてよく考えたら、別に民を助ける必要もなくね?


 貴族やまして王家が民を助けたりするのは、彼らの支持を失えば滅びるからであって、私は滅びないのよ。



 こうして厚かましいことを言った奴は全員食べ物を没収してやった。


 ざまぁみろ、私に逆らうのなら自分で生きろボケ!


 必死に謝るけど無視してやった。


 だって許してあげるなんてのは、私がいい人ですよってアピールをして、周りと上手くやるために必要かもしれないが、私に周りなんていらないのだから。だって最強で何でもできる!





 そして子供ですら願えば得ることができる!


 男なんていらないんだよ!



 てことでいつでも得られるから、今は保留にしておくけど、子供まで魔術で作れるって凄いなぁ……



 よく考えれば、子供どころか私の分身を魔術で作ることもできるんだし、本当に何でもありよね。



 こう考えていくとあらゆる常識が私には意味が無いことに気づいた。




 こうして私は、気分で国を滅ぼし、気分で人助けをする厄災と呼ばれる魔女になったのであった。


 まぁ何でもありならそうなるよね。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop