自惚れ、アディクト
妹が言うには在校生(主に女子)も泣いてたとか。聞いたところで、まあどうでもよくて、俺は気にも留めず、桜咲へ入学した。

グレージュのブレザーが、襟足まで伸びた黒髪に映える。切っときゃ良かった前髪(長すぎてウゼー)も、センター分けでサイドに流せば大人びて見えた。

「………(完璧じゃね?)」

なんつって、自画自賛した。

⸝⸝꙳

「神崎くん、中学でサッカーやってたって聞いたんやけど、部活どうするん?暇やったら、一緒に見学行かん?」

暫くして、隣の席になった永遠(とわ)の誘いでサッカー部の見学に行き、流れるまま入部をする。

すると———…


「神崎く〜〜〜ん」
「愛央く〜〜〜ん」

「「「きゃぁぁぁっ」」」

ガキの頃とは非にならねーくらいモテた。

「愛央っ!ナイシュー!」
「すげーな。何点目だよ。てか、歓声もスゲー」

「……二点目っす」

「この調子で頼むな!」
「愛央のおかげで試合に勝てそうだわ」

珍しく先輩に好かれたし可愛がられた。
その分、反感も買うが。

『チッ…良い気になりやがって。みんな神崎目当てかよ』
『マネと付き合うだけじゃ、足りませんってか』
『アイツは顔だけだろ。どうせ、またすぐに別れるっしょ』

「(今日もなんか言ってんな)」

相手にするつもりねぇし、無視しよ。

『うわー……。オレの彼女も神崎しか見てねーよ…。こう見えてスタメンなんですけど』

「(はいはい。そういうことね)」

「愛央ちん!ナイッシュー」


と、駆け寄ってきた永遠が俺の肩を叩くなり、チームメイトを睨んだ。


「先輩らも懲りんなぁ。人下げても自分らの評価上がらんで?なあ、愛央ちん。……って、また悦に入ってるやん。ほんま、良い性格してるわぁ」

「うん、知ってる」


ふ、と口角が上がった。
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