思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(僕よりもたった2年先に生まれ、外の世界で愛されて育っただけなのに。どうしてあんなにも彼は、太陽のように光り輝き、僕は惨めな思いをしなければならないんだ……!?)

 ガルドラの姿を浮かべるだけで、嫉妬心でどうにかなってしまいそうだ。
 少年はやるせない思いをどうにか自分の中で消化するため、路地裏で1人膝を抱えて蹲る。

「兄貴! 危ねぇから、ここには出入りするなって言ったろ?」

 少年は時折、ガルドラが1人になったタイミングを見計らい、銀髪の青年が彼の元へ大量の果物が入った籠を抱えて持ってくる姿を目にした。

 ガルドラから「兄」と呼ばれた男は、身に纏う衣服に汚れが1つも見当たらぬほど、随分と上質な身なりをしていた。

(独りぼっちの僕とは、何もかもが違う……)

 幼い頃から捨てられた自分と、ある程度大きくなってから見捨てられたガルドラ。
 彼には兄がいて、己にはいない。

 彼が賞賛を受けるのも、「すごい」とみんなから持て囃されるのも、すべて青年が持ってきた食料を「自分が果実畑から奪い取った」と嘘をついていたせいだ。
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