思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「おいおい。俺はあんたを、助けようとしてんだぜ? その態度は、ねぇだろ」
「頼んでない!」
「そいつがどれほど恐ろしい存在か気づいてねぇから、手を取ろうなんて思えるんだ。行き着く先は、ここが理想郷だと思えるような地獄だぜ」
「ここで透明人間のように生き続けるより、ずっとマシだ……!」

 リガルドはガルドラの反対を押し切り、アツパイダ伯爵の手を引いて走り出した。

(もう二度と、こんなところになんか戻ってくるもんか……!)

 心の中で、確かな決意を宿して――。

「なんで、こうなるかね……」

 ガルドラが銀色の瞳を切なげに細め、その後ろ姿をぼんやりと見つめていることに気づかぬまま……。
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