思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「我がモルデント伯爵家の家名に、泥を塗ったか……。貴様がここまで生きてこられたのは、誰のお陰だと思っている?」
「ど、どうか! もう一度、チャンスをください!」
「貴様に与える猶予など、私には残されていない……」

 このままでは捨てられてしまう。
 養父との会話を終えて焦った結果、熱を出して寝込んでしまった。
 本気で用済みだと考えているのであれば、弱って抵抗できない今こそが始末する絶好の機会だ。

(死にたくない……!)

 リガルドは寝台の上で暗殺の恐怖に怯え、ガタガタと全身を震わせながら膝を抱えて丸まった。

 しかし――。
 養父は何故か、リガルドに奇襲をかけなかった。

(義父さんは、僕の言葉を信じてくださったんだ!)

 一度目は許されたかもしれない。
 だが、二度も無様な醜態を晒せば、今度こそ命を奪われてしまうだろう。

(何がなんでも、ガルドラを蹴落としてやる……!)

 こうしてリガルドは、何事もなかったかのように王女の前へと姿を見せた。

 ――しかし、現実は非情だ。
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