思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「今すぐ、私の前から消えて」

 彼女は追い縋るリガルドに冷たい視線を投げかけ、護衛騎士を解任すると宣言したのだ。

(何故、僕がこんな惨めな目に遭わなければならないんだ……!?)

 王が存命であれば、リベルラは姫のままだった。
 闘技大会は行われず、今もまだ彼女は己が好きで堪らないと言わんばかりの笑顔を向けていただろう。

(前国王が亡くなり、ガルドラが闘技大会に立候補などしなければ……! 僕は今も、彼女の隣で幸せを享受していたはずだ!)

 国民の前で無様に敗北する醜態を晒したのも、養父の期待に応えられなかったのも、全部ガルドラが悪い。
 リガルドは己の力不足を棚に上げ、王配に憎悪を募らせる。

(闘技大会では、動揺したせいで負けてしまった……。今度は、絶対に勝つ……!)

 こうして二度と戻ってくるつもりのなかったスラム街へ再び舞い戻り、モルデント伯爵令息として住人たちと接し始めた。
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