思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「俺にとっては特別な約束でも、あんたにはどうでもいい戯れだったってことだ」
「不貞腐れていないで、きちんと説明しなさい」
「嫌だ」

 リベルラは必死に思い出そうとするが、どれほど頭の中を引っ掻き回したところで、リガルドと過ごした楽しく過ごした過ぎ去りし日々の光景しか再生されない。

(私はあなたを、悲しませたかったわけではないのに……!)

 彼が傷つくたびに、胸が痛む。
 目の前にいるのは夫なのに、過去の記憶にはかつて好きだった幼馴染が大半を締めているなんて、あり得ないとしか言いようがなかった。

(彼の名前を口にすれば、思い出せるかしら……)

 スラム街で出会った、男の子。
 彼の話を信じるのならば、当時は10歳だったはずだ。
< 169 / 241 >

この作品をシェア

pagetop