思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「どうして、これを……。あなたが……」

 リベルラは驚きを隠せぬまま、絶句する。
 何故ならば、それは「伴侶にしたい殿方を見つけた時、渡すように」と父親に言い聞かせられてきた代物であったからだ。

「リガルドへ、預けたはずなのにって?」
「そ、そんなこと……!」
「覚えてねぇよなぁ。7歳の時の話なんざ」

 ガルドラは「バレちまったら仕方がねぇか」とばかりに天を仰いだあと、意味深な発言をした。
 彼が咄嗟に口にした話を聞く限り、今から14年前に自分たちは一度顔を合わせ、このペンダントを譲ったことがあるらしい。

「俺は女王様の言いつけ通り、スラム街を守っていたんだがね」
「なんの、話かしら……?」

 リベルラには全く心当たりがなく、小首を傾げる。
 そんなこちらの姿を目にしたガルドラは、こうなることをある程度予測していたようで、肩を竦めた。

「まぁ、そんなこったろうと思ってたぜ」

 その後、彼は過去に思いを馳せるかのように、遠くを見つめた。
 銀色の瞳には、隠しきれぬ深い悲しみが色濃く滲んでいる。
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