思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「あんな奴に負けるわけがないと大口を叩いておきながら、身を引く準備をするなんて!」
「あー、バレちまったか……」

 夫はこちらの発言を聞いた直後、困ったように銀色の目を伏せた。
 その姿は、いたずらがバレてしまった子どもにしか見えなかった。

(私は真剣に、あなたのことだけを考えて生きているのに……!)

 リベルラはカツカツとハイヒールの音を掻き鳴らし、夫の胸へと飛び込んだ。
 そして、思いの丈をぶつける。

「あなたは、私の人生を狂わせたの! 現実から目を背けず、しかと胸に刻み込みなさい!」
「うお……っ!?」
「あなたがいないと生きていけない身体に作り変えた責任は、取ってもらわなければ困るわ……!」

 ベッドの縁に浅く腰掛けていたガルドラが、勢いを殺しきれずに寝台の上へ横たわる。
 彼の上に馬乗りになったリベルラは、紫色の瞳を潤ませて告げた。

「私に、教えて。あなたの前で、肌を晒す方法を」
「いいのか? あんたは、俺が嫌いだったんだろう?」

 嫌ならこんな発言など、していない。
 そう感情的に怒鳴りつけたい気持ちをぐっと堪え、静かに語り出す。
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