思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「あなたに何かあった時は、あとを追うわ」
「おいおい。冗談はよせ。そんなことしたら、この国は王族がいなくなっちまうぜ」
「それが嫌なら、何がなんでも生き残りなさい」

 ガルドラはおどけた口調で真面目に取り合わなかったが、リベルラの決心は固い。
 自分は本気で言っているのだと自覚させるため、あえてもう一度不快そうに眉を顰めて告げる。

「責任は、重大よ」

 ――夜が明けたら、襲撃当日だ。
 生きている彼とこうして密着し合って寝台に横たわるのも、今日が最期になるかもしれない。

 両親を早くに亡くしたリベルラは、知っている。
 死別がどれほど悲しく、恐ろしいことなのか。

 だからこそ――。

 たとえこの命を犠牲にしたとしても、大切な人を守りたいと願っている。

「難攻不落の女王陛下が、聞いて呆れるぜ」

 リベルラにとってガルドラはすでに、なくてはならない存在だ。
 彼がいない人生など、考えるだけで瞳には涙が滲む。
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