思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「私を置いていったら、地獄の果てまで追いかけ回してやるわ……!」
「おお、おっかねぇ……」

 リベルラは女王だが、誰かに何かを命じる権利があるだけだ。
 屈強な男に囚われれば一溜りもないし、自分1人では何もできぬ、か弱き乙女だった。

 己の弱みが露呈しないように、リベルラはいつだって孤高の女王として王座に君臨し続けた。
 そうしなければ、自分の身が危ぶまれるから。

(私の大好きで、死んでほしくない、大切な人……)

 ガルドラはリベルラのすべてを知る、唯一の男性だ。
 彼を失うなど、絶対にあってはならない。

(こうして、明日も明後日も、抱き合って眠れますように……)

 リベルラはそんな些細な願いを胸に抱きながら、ゆっくりと紫色の瞳を閉じて眠りについた。
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