思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「あなたは何か、勘違いをしているようだけれど……」

 女王は今にも口づけができそうなほどに再び顔を近づける。
 そして――。
 躾のなっていない野良犬へ上下関係を教える飼い主のように、高圧的な態度で宣言してみせた。

「立場は、私のほうが上よ」
「負け犬と浮気しても、咎めるなって?」

 ガルドラはその発言を聞き、「こちらがやることなすことに、何1つ文句を言うな」という意味が込められていると受け取ったようだ。
 その解釈は正しいが、今もなお愛する幼馴染への思いを捨てきれずに過ちを犯すような人物に思われているのは、心外だ。
 リベルラは狂犬に茶化され、顔を真っ赤にして怒り出す。

「バカにしないで! いくらあなたの勝利に納得ができないからって、不誠実な真似をするつもりはないわ!」
「それを聞いて、安心したぜ」

 どうやら彼は、己を激高させるために不躾な反応を取ったようだ。
 ガルドラは「作戦通り」と言わんばかりに歪な笑みを浮かべ、こちらを挑発する。
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