思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「ガルドラ! 覚悟……!」
「はっ。うまく構えすら取れてねぇ奴に、俺が遅れを取るかよ!」

 こうして、2人の戦いが始まった。
 ヴァドリックの前評判通り、2人の実力は拮抗していた。

「絶対、殺す……!」
「やってみろ! やれるもんなら、な!」

 一進一退の攻防を繰り返し、激しく剣をぶつけ合う。

(ああ、もう! じれったいわね……!)

 幼馴染の剣先がガルドラの衣服を掠めるたび、万が一のことがあったらどうしようかと怯える自分がいた。

(こんなんじゃ、駄目だわ!)

 リベルラは弱気な考えを捨てきれぬ己を奮い立たせるために、大きく息を吸い込む。
 その後、勢いよく夫へ喝を入れた。

「ガルドラ! さっさと蹴りをつけて、私のところへ戻ってきなさい!」
「了解、っと!」

 彼は妻に名前を呼ばれ、気分をよくしたらしい。
 ニコニコとご機嫌な様子で満面の笑みを浮かべると、鼻歌を歌いながら幼馴染の手にしていた剣を真っ2つに叩き折る。
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