思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 その間にも、天井からはドンドン、ガンガンと耳障りな音が響いている。

(あそこは確か……)

 リベルラは長い思考の末、そこが中庭に直通している隠し通路だと思い出す。
 己の身に何かあった時のため、幼馴染にだけ教えてあったのだ。

(ここへ姿を見せるまで、あんなにも手こずるわけがないのに……)

 何度も体当たりを仕掛けなければ室内へ姿を見せられないほどの状況であるなら――こうなることを見越したガルドラが事前に不届き者の侵入を拒むように穴を塞ぎ、リガルドの侵入を手こずらせていると考えるべきだ。

(さすがは、私の夫ね!)

 リベルラはガルドラに対する好感度を高め、かつて愛した元護衛騎士が姿を見せるまで、固唾を呑んで静かに待ち続ける。

「うわ……!」

 すると――。
 それから、数分後。
 ドカンッと一際大きな音が響き渡り、バランスを崩したリガルドがようやく室内へ飛び込んでくる。
 幼馴染は空中で体制を整え直し、腰元の剣を引き抜いた。
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