思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「下賤な血を引く、クロドノルン公爵家の落とし胤め……!」

 緑色の瞳にありったけの憎悪を込めて、リガルドは夫の出生を暴露する。

(クロドノルン公爵……?)

 幼馴染を拘束する護衛騎士が嫡男であり、後継ぎでもあると言うのは有名な話だ。
 彼に弟がいるなんて話は、聞いたことがない。
 今まで聞かされていなかった真実が次々に明かされて、今すぐ頭を抱えてその場へ蹲りたいくらいだった。

「そいつは、不義の子だ! 王配には、ふさわしくない!」
「なんですって……?」

 リガルドが、貴族ではなかった。
 スラム街出身だと思っていたガルドラが、公爵家の血を引く子どもだった。
 次々と衝撃的な事実が詳らかにされていき、理解が追いつかない。

(私は今まで、何を見てきたの……)

 これまで疑いもしなかった己の常識が塗りつぶされ、目の前が真っ暗になった。

(ヴァドリック卿が無言を貫いている辺り、事実と受け取っていいのよね……?)

 リベルラが戸惑いの色を隠せぬ様子で、目の前にいるガルドラを見上げる。
 夫は呆れたように肩を竦め、いつものように軽薄な声音で、リガルドの指摘を肯定した。
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