思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(夫が私に愛してほしいと願っているのが、痛いほどに伝わって来るんですもの……)

 リベルラは完全に彼を拒絶しきれず、助けを求めるように繋いだ手に力を込める。
 ガルドラは、それに気分をよくしたのだろう。
 耳たぶを甘噛みしながら、低い声で囁いた。

「リベルラ」

 女王の仮面を被ったままであれば、「気安く名前を呼ばないで」憤慨するべき場面だ。
 そうやって怒りを露わにできなかったのは、この行為を通じて、彼に絆されてしまったからなのか。
 それとも取り繕う余裕もないほどに頭が馬鹿になってしまい、身も心も蕩けたせいなのか――。

 彼が王配になったのは、想定外もいいところだ。
 だが、こうして夫に抱かれて名前を呼ばれてみると、案外悪くない。

(この人と、夫婦になれてよかった……)

 そんなふうに思えるのだから、不思議なものだ。

(私にとって幼馴染に向ける愛は、本物ではなかった……。そう言うこと、なのかしら……)

 リベルラは複雑な思いを抱きながら、どうにか彼との初体験を終えた。
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