思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「無駄口を叩いている暇があれば、仕事に遵守しろってさ」
「な……っ!」

 ガルドラの言葉を受け、リガルドが絶句する。
 いつも冷静沈着で優しかった幼馴染からは想像もつかないほどに、顔を真っ赤にして怒りを露わにしている。
 どうやらよほど、頭に来たようだ。

(騒がしいったら、ありゃしない……)

 リベルラはうんざりとした様子で、執務室の椅子に座った。

(この状態でも、まだガルドラに食ってかかるようなら……。もう、リガルドは手に負えないわ……)

 女王が書類を手に沿った瞬間が、仕事に集中する合図だ。
 何人たりとも、邪魔をするのは許されない。
 声をかけていいのは、緊急事態が起きた時だけ。
 それを知っているからこそ、彼らは渋々無駄口を叩くのを止めた。

(ようやく、静かになったわ……)

 リベルラはほっと胸を撫で下ろし、うず高く積まれた書類の束に黙々と目を通す。

 内容を確認し、判を押す。
 不備がある書類は横に退け、宰相かガルドラへ回すのだ。

 単純な流れ作業を行いながら、この一週間の間に起きた出来事を想起する。
< 73 / 241 >

この作品をシェア

pagetop