思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「あなたはいつまで、闘技大会の敗北を引き摺るつもりなの?」
「僕はずっと、リベルラと結ばれる日を夢見てきた……! 前国王だって、それを望んでいたはずだ!」
「いいえ。特定の誰かを指名しなかった時点で、それは都合のいい解釈でしかないわ」

 リガルドは旗色が悪いと気づき、遺言の話を持ち出してきた。
 リベルラはすでに命を落とした父親の姿を思い浮かべ、唇を噛み締める。

(大好きで、大切で、私の成長を、老いるまでずっとそばにいてほしかった……)

 ――すでに命を落としたものは、問いかけても答えてくれない。

 俺の私利私欲を満たすためだけに前国王の意思を代弁されるなど、思ってもみなかった。
 これは王家に対する、侮辱だ。
 リベルラはその言葉を聞いて女王の仮面を被り続けられるほど、精神的に成熟した大人ではなかった。

(本音を口にするべきではないと、わかっているはずなのに……)

 頭に血が上るのを止められず、鬼の形相で幼馴染を睨みつけた。
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