思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 自分の都合ばかりを押しつけてきた。
 彼の絶叫は、いつまで経っても終わりを告げる様子がない。

「僕はこれから、どうやって生きればいいんだ!?」
「簡単よ。私のことは忘れて、職務に従事すればいいだけ」
「僕の仕事は幼い頃から命を落とすまで、生涯定められている! リベルラの、護衛だ! それ以外にはない!」
「いいえ。あなたにはこれから、スラム街の維持管理をしてもらうわ」

 彼はこの期に及んでも、女王の護衛騎士として死ぬのが誉れだと信じて疑っていないようだ。

(いつまで、彼の主張に耳を傾けていればいいのかしら……)

 いい加減うんざりしてきて新しい職場を紹介すれば、ようやく騒がしくがなり立てるのを止めた。

「スラム、街……? 何故……!」
「本当はあなたを、最前線へ送るつもりだったのだけど……。気が変わったわ。ガルドラが王城で過ごすようになってから、アツパイダ伯爵は不正に助成金を入手するべく動き始めた。あの男と関係がないのであれば、夫と同じくらいの働きぶりを期待できるはずよね?」
「い、嫌だ……!」
「勝負に負けたあなたに、拒否権はないわ」
「リベルラ! お願いだ! 考え直してくれ! 君のそばにいるためなら、なんでもする! だから……!」

 だが、それも一瞬だけだ。
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