ただいまヒロイン代理中!
「うん。プロットとか描写とか、まだ全然わかってないんだけどさ……」

 私は雲一つない青空を見上げて、ゆっくりと言葉を続けた。

「でも、私も舞さんみたいに、誰かの心を動かせるような物語を書いてみたい。大変だし、難しいかもしれないけど……今日から早速、始めるって決めてるんだ!」

 両手の拳をぎゅっと握りしめる私に、結城くんはしばらく呆気に取られていた。

 だけど、やがてふっと口元をゆるませて、優しい微笑みを浮かべた。

「そんなふうに、夢中になれるものを見つけて頑張れる天宮のこと、俺は――だよ」

「え? 今、なんて言ったの?」

「……ったく。一回しか言わないから、ちゃんと聞いとけよ」

 顔を真っ赤にした結城くんが私の耳元に唇を近づける。

「――好きだよ。詩乃」

 ささやくような告白が、朝の爽やかな風と一緒に心に染み込んでいく。

 世界で一番大好きな人と、両想いになれたその瞬間。

 今までに味わったことがないくらい、ふわふわの幸せな気持ちに包まれた。

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