ただいまヒロイン代理中!
 素早い身のこなしで不良たちをほんろうしながら、駿くんが会話に割り込んできた。

「この街のどこに何があるか、どのチームがどう動くか、常日頃から調べて把握するようにしているんですよ」

「す、すごい……!」

 だから駿くんはいつもパソコンを持ち歩いてたり、作業してたんだ……。

 なんて感心していると、駿くんがあたりをざっと見わたして、冷静に続けた。

「まあ、VERTEXの戦力もだいぶ減ってきましたし、あとは――」

「よう」

 ふと、聞き慣れた低い声が、はっきりと耳に響いた。

「蓮!」

「しっかりつかまってろ」

 いつの間にかそばにいた蓮が、私を軽々とお姫様抱っこで抱き上げる。

 そして、敵も味方も入り乱れる中をかき分けて、倉庫から外の世界へ飛び出した。

 そもそも喧嘩自体が、ほとんど黒龍の勝利へと決着がついていたからだろう。

 嘘みたいな夜の静寂が、少しずつ私たちを包みこんでいく。

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