ただいまヒロイン代理中!
「あのさ、蓮」

「あ? 何だよ?」

 蓮が不思議そうな顔で私を見つめる。

「実は、私……」

 十六夜美月じゃない、と言おうとした次の瞬間。意識がすうっと遠のいていった。

 夜空も、倉庫も、黒龍のみんなの姿も、一番近くにいるはずの蓮の顔も――紙の上のインクに水を垂らしたように、少しずつぼやけてにじんでいく。

 ……ああ、もう夢が終わるんだ。

 今夜のはいちだんと長かったなあ。と思うのと同時に、私は現実へと引き戻されていった。

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