監禁溺愛!? ~猫好き主任は、猫っ毛の年下部下に篭絡される~
 私は焼き魚定食を載せたトレイを持ち、くるりと見回した。
 昼時の社食は、いつもながらに混んでいて席がない。

「主任、こっち空いてます!」
 軽く手を挙げたのは、後輩で部下の蒼沢優紀(あおさわ ゆうき)くん。

 私は人と席を縫って彼が座るふたりがけの席に行き、向かいに座る。

「サンキュ」
「どういたしまして」

 彼がにこっと小首をかしげて笑うと、細い猫っ毛が揺れた。
 今日も髪がつやつやだ。キューティクルのわっかがで来ていて、本当の猫のようにやわらかそう。毛先がくるんとしているのが彼の童顔にぴったりと似合っていてかわいくて、うちの部署では大人気だ。

「主任とお昼、嬉しいです」
 私は思わずくすっと笑う。
 こういうこと言うから、彼は人気なんだろうな。

「俺、本気でそう思ってますよ」
「はいはい」

 私はもう三十歳。こんなことでいちいちどきっとしたりしない。彼は三つも年下だしね。
 いただきますをしてから、私はサラダを食べる。

「主任、猫を飼うために貯金してるって本当ですか?」
「あと少しで目標額なの」
 うきうきで答えると、彼は私を見た。
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