ある熱帯の天使
5.「都会の青」
都会の窓から見える景色は、私が暮らす近くに墓のある世界とは180°違って見えた。私の住む家は、辺りに街灯が少なく21時に外を歩けば何も見えない。悪さをするにはうってつけ。だから、暴走族はよく走る。駅から家までは遠くて、歩けば20分もかかってしまう。だからみんな車を持つんだと思う。私は16歳で、まだ車の免許はとれない。どうして、皆平気なの。歩くのが辛くてたまらなかった。あと二年、待てばいいじゃんって友達は言う。
「わたし、待てない」
変わらない赤信号に耐えかねて私は走り出す。ものすごいスピードで、走り抜けた。
午前10時に飛び乗った電車の中で、制服を着た学生はその車両の中で私一人だった。
「しばき回すぞこら」
見知らぬ男は見知らぬ子供に向かって怒鳴ってた。
本当に“しばき回す”わけでは無いことは知っていた。けれど、私は堪えかねて違う車両に移った。
都会の窓から見える景色は、私が暮らす近くに墓のある世界とは180°違って見えた。私の住む家は、辺りに街灯が少なく21時に外を歩けば何も見えない。悪さをするにはうってつけ。だから、暴走族はよく走る。駅から家までは遠くて、歩けば20分もかかってしまう。だからみんな車を持つんだと思う。私は16歳で、まだ車の免許はとれない。どうして、皆平気なの。歩くのが辛くてたまらなかった。あと二年、待てばいいじゃんって友達は言う。
「わたし、待てない」
変わらない赤信号に耐えかねて私は走り出す。ものすごいスピードで、走り抜けた。
午前10時に飛び乗った電車の中で、制服を着た学生はその車両の中で私一人だった。
「しばき回すぞこら」
見知らぬ男は見知らぬ子供に向かって怒鳴ってた。
本当に“しばき回す”わけでは無いことは知っていた。けれど、私は堪えかねて違う車両に移った。