俺に愛されてみないか? ~孤高のパイロットとの偽り新婚生活は熱くて甘い~
それもこれも原因は、あの憎き金城宗弥のせい。「なにもあんな通り道で話さなくてもいいのに……」なんてぶつぶつ呟きながら、芽衣子さんの隣に腰を下ろす。
「お待たせしてすみません。芽衣子さん、今日のランチ、なににしましたか?」
各部署の休憩室が集まっているこの場所は最近カフェテリアが常設されて、メニューも豊富だからゴールド・エア航空で働く人たちの憩いの場となっている。
「今日はたまごサンドとシーザーサラダのセットにしたよ。って、そんなことより。浮かない顔して、なにかあったの?」
芽衣子さんは私の顔をのぞき込み眉をひそめた。チーフとして現場をまとめている芽衣子さんは仕事柄、仲間のほんの少しの表情の違いでも見逃さない。私のこととなると、なおさらだ。
「わかります?」
「わかる、わかる。伊澄の顔にバッチリ書いてあるわよ」
芽衣子さんに頬を指先でトントンと突かれ、彼女には敵わないなと私は肩を落とした。
「もう、なにかあったのなんて騒ぎじゃありませんよ。芽衣子さん、聞いてくれます?」
もういろんなことが一度にありすぎて、頭の中はいっぱいいっぱい。芽衣子さんに全部吐き出さないと、私の中いる腹の虫が治まりそうにない。