おかえりが聞こえる病室
コンコン。

控えめなノックが聞こえた。

「失礼します。」

ドアがゆっくり開く。

一人の看護師が病室へ入ってきた。

紺色のスクラブに名札。

髪は後ろでひとつにまとめられている。

優しい笑顔だった。

「こんばんは。」

「夜勤を担当します。」

一度ママに会釈をしてから、ベッドのそばへ歩いてくる。

亜美と目線が合うように、ゆっくりしゃがんだ。

「初めまして。」

「今日から担当する看護師の莉奈です。」

「よろしくね。」

その声は、とても穏やかだった。

亜美はじっと莉奈を見つめる。

返事はしない。

ただ、少しだけママの腕に隠れた。

莉奈は困った顔をすることもなく、小さく笑った。

「急に知らない人が来たら、びっくりするよね。」

その一言に、亜美は少しだけ目を丸くした。
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