おかえりが聞こえる病室
莉奈はカルテを開く。

「先生からお話は聞いてるよ。」

「今日は救急外来で、いっぱい頑張ったんだって。」

亜美は小さく首を横に振った。

「……がんばってない。」

「泣いたもん。」

莉奈は少し驚いたように笑う。

「そうなんだ。」

「でもね。」

「泣くのと頑張るのは、別なんだよ。」

亜美は不思議そうな顔をする。

莉奈はそれ以上続けなかった。

まだ出会って5分。

今は無理に励ます時間じゃない。

そう思った。
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