おかえりが聞こえる病室
「今日は少しだけお部屋の説明をするね。」

莉奈はベッドサイドを指差した。

「ここがお水。」

「ここがナースコール。」

赤いボタンをそっと見せる。

「夜でも、眠れなくても、苦しくても。」

「困ったら押していいからね。」

亜美はボタンを見つめる。

「……ほんとに?」

「うん。」

「何回でも。」

「遠慮しなくていいよ。」

その言葉を聞いても、亜美はまだ半信半疑だった。

(こんなので呼んでいいのかな。)

そんな顔をしている。

莉奈はその表情に気づいていたけれど、何も言わなかった。
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