おかえりが聞こえる病室
午後10時32分。
亜美の呼吸が、少しずつ速くなってきた。
肩が上下する。
息を吸うたびに胸が苦しそうに動く。
「亜美!?」
「……。」
返事がない。
呼びかけると、苦しそうに顔を上げた。
「……ママ。」
声がかすれている。
「苦しい?」
小さく頷く。
吸入をもう一度試みる。
けれど、思うように落ち着かない。
時計を見る。
10時40分。
ママは迷った。
まだ様子を見るか。
それとも——。
その瞬間だった。
亜美が急に強く咳き込み、胸を押さえた。
「……っ。」
言葉にならない。
息を吸おうとしても、うまく吸えない。
ママは迷うのをやめた。
震える指で電話をかける。
「救急車をお願いします。」
住所を伝えながらも、もう片方の手はずっと亜美の背中をさすっていた。
「もうすぐ来るからね。」
「大丈夫だから。」
その言葉は、亜美に向けたものでもあり、自分自身に言い聞かせる言葉でもあった。
亜美の呼吸が、少しずつ速くなってきた。
肩が上下する。
息を吸うたびに胸が苦しそうに動く。
「亜美!?」
「……。」
返事がない。
呼びかけると、苦しそうに顔を上げた。
「……ママ。」
声がかすれている。
「苦しい?」
小さく頷く。
吸入をもう一度試みる。
けれど、思うように落ち着かない。
時計を見る。
10時40分。
ママは迷った。
まだ様子を見るか。
それとも——。
その瞬間だった。
亜美が急に強く咳き込み、胸を押さえた。
「……っ。」
言葉にならない。
息を吸おうとしても、うまく吸えない。
ママは迷うのをやめた。
震える指で電話をかける。
「救急車をお願いします。」
住所を伝えながらも、もう片方の手はずっと亜美の背中をさすっていた。
「もうすぐ来るからね。」
「大丈夫だから。」
その言葉は、亜美に向けたものでもあり、自分自身に言い聞かせる言葉でもあった。