おかえりが聞こえる病室
「おはよう。」

簡易ベッドで休んでいたママが、小さく微笑んだ。

「よく眠れた?」

亜美は少し考えてから首をかしげる。

「……いっぱい、おきた。」

「そうだね。」

夜中に何度も目が覚めた。

そのたびに、誰かが布団を掛け直してくれた気がする。

夢だったのか、本当だったのか。

まだぼんやりしていた。

廊下からワゴンを押す音が近づいてくる。

朝の病棟が動き始める音だった。

ナースステーションでは夜勤と日勤の申し送りが始まっている。
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