おかえりが聞こえる病室

救急外来

救急車は、赤色灯を揺らしながら病院の救急搬入口へ滑り込んだ。

時刻は22時58分。

後部ドアが開くと、少しひんやりした夜の空気が流れ込む。

「到着しました。」

救急隊員の声とともに、ストレッチャーが静かに降ろされる。

亜美は毛布を胸までかけられたまま、天井を見つめていた。

白い照明が次々と流れていく。

病院の天井は、いつ見ても同じ景色だった。

(また……病院。)

その言葉は胸の中だけで消えた。
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