おかえりが聞こえる病室
莉奈はベッドサイドで点滴を確認すると、静かにカルテへ記録を書き込んだ。

異常はない。

熱も先ほどと大きな変化はなかった。

ペンを閉じると、亜美のほうへ向き直る。

「何か飲めそう?」

「……。」

亜美は首を横に振った。

「じゃあ、お口だけ少し湿らせようか。」

小さなコップに水を入れ、ストローを添える。

「一口だけでも大丈夫。」

亜美はゆっくりとストローをくわえた。

一口。

二口。

それだけで精いっぱいだった。

「ありがとう。」

莉奈はそれ以上勧めなかった。
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