Ironic Honey
 優しくベッドに下ろされた後、優しく頬や首筋に口付けを落としていく。その間、手は胸に向かうと思っていた。男性が大体愛撫する時に触れるのは胸が多かった。経験からそう思い込んでいると彼の手は脇腹からゆっくりと腹の中心に向かっていく。

 それから愛おしそうに撫で、それから優しく腹に口付ける。それがくすぐったくて、でも、嫌じゃない。

 彼がしばらく腹を撫でた後、ゆっくりと髪や頬を撫で、快感を強く感じる場所には全く触れようとしない。

 焦らされそわそわして落ち着かない。そんな私のことを知ってか知らずか、わからないけれどクスっと微笑み、露出した素肌へ口付けをしながら服を捲り上げていく。

 羞恥心で時々声が漏れ、手の甲で口を覆った。そんな私にお構いなく、千織は胸元まで服を上げ、下着の上から優しく膨らみを揉む。


「…前回より少し柔らかくなった?」

「な、なんで、前回のこと覚えて…!」

「君よりは酔っていなかったから、全部覚えてるよ」


 そう笑う千織に顔が熱くなる。

 私は覚えていないのに、彼だけ覚えていてずるい。
 この夜、また私はドロドロに溶かされて、記憶がなくなるほどに愛されてしまうわけなのだけど…───。
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