伯父の命により、高潔すぎて『聖人』と噂の男の元へ行く事になりました。

11.結界

 梓娟は髪を優しく撫てられる感触を感じ、擽ったさにゆっくりと瞼を開いた。
 そして視界に見えたのは眩しい菩薩の微笑だった。

「あぁ起こしてしまったな。すまない」

 眞佳は額にそっと口づけを落とす。
 
 ──…⋯あぁ、また朝がやってきたのね。

 抱きしめられる腕の中で、梓娟は小さくため息を落とした。

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