伯父の命により、高潔すぎて『聖人』と噂の男の元へ行く事になりました。

 求め繰り返し呼ぶ声は愛しげで、愛おしい人へ向ける声色だと梓娟は錯覚を起こして胸を擽られた。
 あまりにもそんな風に呼ぶから、拒む事が出来なかった。

 ──⋯…ずっと、って言ってたけど、それは、どういう意味、なのかしら……。

 頭の片隅で考える。

「──────ッ」

 眞佳が切なげに名を呼んだ気がした。
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