君に愛療を
君と医療と愛と
「ねえ先生、手繋ぎましょうよ」
夕日に照らされてオレンジ色に輝いた彼女の手が差し出される。心底楽しそうな笑顔が眩しい。
どうしてそんなに笑っていられるんだ、という言葉が喉を通る前に胃に戻る。
仕方なく彼女の手を取り、歩幅を合わせて歩き出す。
死ぬ予兆なんて一ミリも見せなかった彼女が死んだのは、その数日後だった。
*
*
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恋は病。恋は盲目。
まるで恋自体が何かの病であるかのように書き連ねられた言葉たち。
でも、それはまた違うと思う。病こそ、恋で、愛で治すものじゃないのか?
不治の病のバッドエンドより、救いがあるビターエンドのほうが私にはお似合いだ。
執着心でも病でもないこの気持ちを治すためには何がいる?愛?医療?
いいや、それじゃなくてー。
「ねえちょっと薫。聞いてるー?」
そんな友達の言葉で、現実に引き戻される。激痛の沼の底から引き上げられる感覚がした。
「、、、、、、ごめん、お腹痛くて。トイレ行ってきてもいい?」
「え、うん。いいけど。大丈夫?」
「うん、平気平気。また今度その話聞かせて!」
その場から逃げ出すように足が動き出し、廊下へと飛び出す。
またあの症状が出た。私のお腹をかき混ぜるような、あの痛みが。
ポケットからカプセルを取り出し、口に放り込む。瞬間的に苦みが広がり、
それはすぐに水で流された。
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