初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
「謝らなくていいよ。初めての取材なんだし、緊張して当然だよ。それに……遥奈が頑張ろうとしてるの、俺、ちゃんとわかってるから」
俯けていた顔を上げると、とびきり優しい笑顔を湛えた零がそこにいた。
——ちゃんとわかってくれているんだ。
理解者が傍にいてくれるだけで心強い。それが愛する人なら、なおさらに——
「そんなに心配しなくても、遥奈なら大丈夫だよ。遥奈を信頼しているからこそ依頼したんだから、自信持ってよ。何かあってもしっかり支えるから。そのために、婚約者であり、責任者でもある俺が傍にいるんだから。安心してよ、ね?」
——そして何より、自分のことを信頼してくれているなんて、勇気百倍。鬼に金棒だ。
「……零さん、ありがとうございます。零さんのおかげで俄然ヤル気が出てきました。この調子で、零さんの信頼を裏切らないためにも、しっかり務めますね」
「それは力強いな。でも、無理しちゃ駄目だよ。いいね?」
「はい!」
零のおかげで、緊張感も解け、晴れやかな心持ちで元気よく答えた。
「そろそろ向かおうか?」
そう言って立ち上がった零がジャケットを羽織り身なりを整える。
「そうですね」
零に倣って立ち上がった遥奈は、零の姿に視線が惹きつけられた。