初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
「も、申し訳ないのですが、今回は顔出しはなしということでお受けしておりますので……」
「無理を承知でお願いできないでしょうか? そのほうが、双方にとってもいいと思うんです。監修者としての信頼性も高まりますし。〝クリニックでも評判の『癒やしの遥奈先生』が関わっているんだ〟となれば、注目度も高まると思うんです。ですから、ぜひ見出しとして掲載させていただけないでしょうか?」
「見出しと言っても、そこまで大きなものではないですから。ぜひとも、お願いいたします」
「……あっ、あの、困ります。お二人とも頭を上げてください」
ライターとカメラマンの男性から頭を下げられ、遥奈は驚きを隠せない。
おそらく、はじめからそうするよう、示し合わせていたのだろう。
零からも『押しの強いところがあるライター』だとは事前に聞かされてはいたが、まさか本当にそうなってしまうとは、思いもしなかったのだ。
とはいえ、このままでは顔出しでの掲載になってしまう。
顔を出したぐらいで話題にはならないだろうが、医師として未熟な自分が顔出しして、零に迷惑をかけても困る。
——ここはキッパリ断らなきゃ。
心を決めた遥奈は、二人に決然とした声を放った。