初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 だが、ただの政略結婚ではない。

 業務提携は名ばかりの、経営難という弱みにつけ込んだ乗っ取りだ。そうやって世界第二位まで昇り詰めたらしい。

 そこで零からある提案を受けた。

 提案というのが、インペリアル・インターナショナルとのパートナーシップ契約だ。

 遥奈は当初難色を示した。

 婚約したとはいえ、零の負担になるようなことはしたくなかったからだ。けれど——

『実は、祖父と祖母が皇のチャペルをとても気に入っていてね。俺が生まれる前から幾度となく業務提携を申し込んでいたらしいんだけど。先代の総支配人に門前払いされたようなんだ。遥奈とのことを話したら、何かの巡り合わせかもしれないから、どうにか支援できないだろうかって、言っているんだ。歴史的にも価値があるものだからって。だから、遥奈のお父さまに結婚を許してもらえたら、正式に打診させてほしい』

 零にそこまで言われて、断ることなどできなかった。

『わかりました。私にできることなら何でもするので、皇のこと、よろしくお願いします』

『遥奈、俺たちは夫婦になるんだから、共に力を合わせるのは当然だよ。だから、頭を上げてよ。ね?』

『……零さん』

『感激して泣いてる時間はないよ。お父さまに今から会えないか連絡を入れてほしいんだ』

『あっ、はい。わかりました』

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