初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
「べ、別に零さんが嫌とかではないんですよ。そもそも『濡れない体質』の私には、ワンナイトなんて無理なんです! だから、私のことは諦めてください」
どうしてそんな行動に出たのか自分でもわからないが……。
恋愛に踏み切るのが怖いくせに、零を強く拒絶できない自分の気持ちに歯止めを掛けるためだったに違いない。
もう二度とあんな目に遭わないために――
忘れもしない。あれは五年前、まだ医大生だった頃の話だ。
当時、初めてできた彼氏と一線を越えたばかりで、本来なら一番楽しい時期のはずだ。だが、遥奈は思い悩む日々を送っていた。それは、回を重ねるごとにおさまっていくはずの痛みが酷くなる一方で……。毎回、快感どころか、苦痛しか感じなかったせいだ。
京香にもさすがに相談できず、思い切って彼に打ち明けたら、とんでもない事実が判明した。
『俺、他の子とも試したんだけど、問題なくデキたんだよね。遥奈が濡れないのは、元々そういう体質か、気持ちの問題なんじゃないかな。だからさ、お互いのためにも、別れようか』