初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
「そんなこと言われても困ります。気持ちが追いつきません」
「なら、お互い大人なんだし、身体の相性を確かめてからでも良いんじゃないかな? ワンナイト? って言うんでしょう? 日本で流行ってるって聞いたけど。それとも……相手が俺だから?」
まさか、零の口から、「ワンナイト」などというワードが飛び出すとは思わず、度肝を抜かれたが……。
零は真剣そのもので、冗談を言っているふうではない。
「そ、そんなの、小説やドラマの中だけの話であって、流行ってませんからね。どこ情報ですかっ」
恋愛ごとから避けてきたので、実際にはどうなのか知りようもないが、間違ってはいないはずだ。
だがどういうわけか反応がない。心なしか僅かに肩を落としたように見える。
「な、何ガッカリしてるんですか……」
そこまで言って、遥奈はハッとする。零の表情がみるみる曇ってしまったからだ。
おそらく、相手が自分だから受け入れられないんだと勘違いしたに違いない。
この時、なぜだか誤解を解きたいと思ってしまった遥奈は、これまで誰にも明かせずにいたあることを口走っていた。