最後の夏、君に恋をした

プロローグ

私には幼馴染がいる。

その人は背が高くて、運動神経も良くて愛想もいい。勉強はできないけど…。

私はそんな彼がずっと好きだった。

だけど、この想いを伝える日は来ないと思ってた。

幼馴染という関係は、あまりにも近すぎる。

家族でも、恋人でもない。

だけど、誰よりも長い時間を過ごしてきた、大切な存在。

そんな距離を壊してまでも「好き」と言う勇気は出なかった。

もし振られたら。

もし、今までみたいに笑い合えなくなったら。

そんな事を考えて、私は今日も想いを胸の奥にしまい込む。

だけど⋯。

もし、この夏が彼と過ごせる最後の夏だと知っていたら。

私はもっと早く、「好き」と伝えていた。

もっと笑って。

もっと手を繋いで。

もっと一緒に写真を撮って。

もっと「ありがとう」を伝えていた。

⋯⋯だからこれは。

私が世界で一番好きだった幼馴染の、

神崎 怜(かんざき れい)との、

たった一度きりの、

忘れられない恋の物語。



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