最強の王子は花売り娘に恋をする

番外編 花の都

キメラ公国に赴任して忙しく慌ただしい日々を過ごしていたフレデリックとジュリエッタは、皆に助けられてやっと結婚式の日を迎えた。

ジュリエッタは真っ白なシンプルなオフショルダースタイルのドレスに決めたが、フレデリックはデコルテや腕が露わになるスタイルに難色を示した。

肘までの長い手袋をすることでしぶしぶ了承してくれたのだが、ジュリエッタは花をメインにしたかったのだ。

頭にベールをかぶりそのベールは長く裾を引いていた。

ベールの上には色とりどりの花とアイビーで花冠を作り手には自分で作った花束を持った。

宝石は耳に飾ったシンプルな真珠のみという素朴な装いだったが、ジュリエッタは女神のように光り輝いていた。

フレデリックはジュリエッタに見惚れて教会の段さに躓いてさり気なくデレクに補助されていた。

たったの1年でキメラ公国を蘇らせてくれた美男美女の公主夫妻はあらゆる面で圧倒的な人気を誇っていた

教会から王城までの屋根のない馬車でのパレードには公都中の人が集まったのではないかと思われるような人出だった。

シュバイツァー王国からは国王夫妻にフレデリックの弟妹達、イワンにマリアにザイールも出席してくれた。

オキシアン共和国からはガレリア伯爵夫妻とエドガーが駆けつけてくれた。

皆に久しぶりに会えてフレデリックもジュリエッタも笑いが絶えなかった。

シュバイツァー王国の王都からキメラ公国の公都まで汽車も通った。

2日もあればオキシアン共和国の首都のガレリア伯爵家までは行けるようになった。

結婚式を終えるとジュリエッタはキメラ王城の庭に色々な花を植えた。

温室を作って薬草も植えた。

王城周りにも花を植え花で埋め尽くした。

王城を守る壁にも虫よけになる花のハンギングもつるされている。

王城の中も至る所に花やジュリエッタ特性のアロマやサシェが置かれている。

王城はいつも花や花のいい香りであふれていた。

ジュリエッタは公都の公園をラベンダー畑にした。

初夏になるとラベンダーの芳香と一面紫の絨毯を敷いたようになるその公園は公都の観光名所になるのだ。

庭師は20人を抱え、薬草畑専用の庭師もいるほどだ。

王城は“花のお城”と呼ばれた。

キメラ公国民の生活が安定してくると、王都に住む人々も自分の家で花を育てるようになった。

ジュリエッタは王都の中心地の通りの街灯にもハンギングで虫よけの花を飾りその世話も王宮の庭師に任せた。

キメラの公都は花の都と呼ばれた。

そして毎年7月3日に花祭りが行われるようになった。

その日は公主夫妻の結婚記念日なのだ。

それを花でお祝いしようと言う事で公国民がお祭りとして始めたのだ。

キメラ公国では花祭りに結婚が決まると公主夫妻にあやかって幸せで仲の良い夫婦になれると言われている。

                                  完                            
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